NEDOプロジェクト採択

NEDOの大規模国家プロジェクトに採択されました。

当研究室が物質工学分野の共同研究者とともに、2017年から世界に先駆けて取り組んできたマテリアルズ・テキストマイニングの研究が評価され、プロジェクトの一端を担わせていただけることになったのだと理解しております。

水素利用拡大に向けた共通基盤強化のための研究開発事業
燃料電池・水電解の共通基盤技術開発
DXおよびマテリアルズ・インフォマティクスを用いた燃料電池・水電解材料の研究開発

NIMSがリーダーをされているグループの中で提案したMIに関する研究が採択されたもので、想定5年のプロジェクトですが、3年目で継続の可否の審査があります。マンチェスター大学時代に、もう少し規模の大きいEUのFP5の国際共同研究プロジェクトにかかわった経験があります。そこではEU内の各大学で企業のように研究員に仕事を割り当てながらプロジェクトを強力に推進していて、EU側によるマイルストーンに対する進捗管理、成果チェックがシビアに行われていました。厳しい審査報告会でも発表を行い、評価も上々でした。NEDOでもそのあたりの経験を活かしていきたいと思っています。

IEEE Access

IEEE Access に時系列データ生成に関する論文が掲載されました。この論文は、オートエンコーダーとGANの組み合わせにより、元データが持つ変量ごとの特徴と変量間の特徴の両方を維持しながら、人工的な時系列データを生成する方法AVC-GANを提案したものです。AVC-GANにより生成されたデータは、他のSOTA生成手法よりも実データに距離的に近いことを実験的に示しています。時系列生成は、時系列の最初から終わりまでの一連のデータを生成するために、時系列予測よりも生成するタイムステップ数が多くなります。そのため、自己回帰的に生成すると誤差の蓄積により生成されるデータの分布がシフトしてしまうという問題点がありました。AVC-GANでは、非自己回帰的な生成をすることでこの問題を避けています。また、GANによるデータ生成は、GAN生成器が元データを学習の過程で直接参照していない(∵生成器はノイズから識別器をだますデータを生成するよう学習しているだけで、学習時に実データが入力されることはない)という特徴があるので、元データの完全コピーを生成しない・できないという利点があります。

Kasumi Ohno, Kohei Makino, Makoto Miwa, and Yutaka Sasaki, Long-Term, Multivariate Time Series Generation With the Capture of Intervariate Correlations and Variatewise Characteristics, IEEE Access, vol. 13, pp. 130747-130757, 2025. doi: 10.1109/ACCESS.2025.3590728 (IF=3.6)

https://ieeexplore.ieee.org/document/11086582?source=authoralert

IJCAI2025 Workshop採択

8/17にモントリオールで開催されるIJCAI2025のAI4TSに2件採択されました。深層学習による時系列解析の研究を始めて約3年でようやく査読付きの成果がでました。ちなみに、当研究室では時系列データと自然言語情報は同じ系列情報を考えています。

  • Long-Term Multivariate Time Series Generation with the Capture of Intervariate Dependencies and Variatewise Characteristics
  • Empirically Estimated Uncertainty-Guided Iterative Decoding Strategy of Diffusion Models for Time Series Forecasting

SNL2025

毎年開催しております国際ワークショップの第9回目の開催となります Symbolic-Neural Learning 2025 (SNL2025) が、10月に大阪で開催されます。SNLは、コンピュータビジョン、言語、音声、ロボティクス、機械学習などの異なる分野の研究者が垣根を超えて、深層学習と記号的処理の融合というテーマを旗印に集まる、ユニークな場所になっています。毎年、各分野で著名な日本では滅多に講演いただけないような方を基調講演者として招へいしております。最近、neuro-symbolic learningという用語が使われますが、2017年からワークショップを通して同じような分野を開拓してきております。

例年6月末に開催して参りましたが、今年は10月末の開催です。

日程:2025年10月29日・30日
会場:大阪大学中之島センター

詳しくは下記のホームページをご覧ください。随時アップデートされます。
https://im.sanken.osaka-u.ac.jp/snl2025/

ポスター発表の募集については9月までにはお知らせできると思います。

言語処理学会2025

来週の言語処理学会で下記の2件の発表を行います。

D2-4 大規模言語モデルを用いた実世界タスク指向対話におけるICL・ファインチューニングの効果の検証
Q10-5 偏向LLMエージェントの協調による知識階層の誤り訂正

また、5月の人工知能学会でも、時系列生成・予測およびマテリアルズインフォマティクスに関する4件の発表を行います。

三角点

研究室とは関係ないのですが、豊田工業大学は名古屋市天白区内の高台に位置しています。地理的には一ツ山という山(丘陵)にあり、一ツ山の基準点である「野並村二等三角点」が大学内にあります。

大学の敷地内ではあるのですが、基準点は分かりにくいところにあるため、在校生、卒業生でその存在を目にしたことがあるひとはほとんどいないと思います。私も15年間勤務していますが今日初めてその存在を知りました。

三角点は正確な地図や地形・地勢図を作成するために三角測量をするときの基準点であり一等から五等まで(五等は全国に2ヶ所しかないため実質四等まで)に分類されています。一等三角点間で位置を定め、さらに詳細な地域の位置をそこから二等、三等というように測量していくために等級が付いています。名古屋市内には一等三角点は1つしか存在しないため、二等でもかなり重要なポイントであることがわかります。実際、二等三角点は全国に5000ヶ所弱しか存在しない貴重なものです。

博士号取得

当研究室から豊田工業大学シカゴ校(TTIC: Toyota Technological Institute at Chicago)の博士課程に進学した米田拓真君が現地時間の8月6日に公聴会を終えて博士号を取得できることが決まりました。当研究室に所属していた学生としては5人目の博士号取得者であり、TTICに当研究室から進学した学生としては2人目です。

TTICはシカゴ大学の計算機科学科と一体で運営されており、多くのシカゴ大学の学生がTTICの講義を受講しています。そのため学生のレベルが非常に高く、特に機械学習と計算複雑性に関連する分野では世界トップレベルです。